(質問記事番号 【1412037】 投稿月 8月 )
「××」さま
おつかれかもしれませんが、「中学入試」の世界に足をふみいれられた方の中には、同じような気苦労されている方、たくさんたくさんおられますし、よく似たケース、しろくまもいっぱい知っていますよ。
まず、お子さんが、いまの段階で「塾をやめたくない」とおっしゃる場合には、いくつかのこと、およびその複合が理由であると考えられます。
一つは、「志望校」に関することです。
お話しでは、本人が「ふつうの小学生」にもどりたいっ と言われた背景に「志望校がとくにない」というところがおありになったわけですよね。ということは、現在、どこか行きたい学校ができたのではありませんか?
親の言うことをきかなくなってくると、アドバイスをむこうが受け入れないだけではなく、親のほうもお子さんのシグナルを見落としがちになります。相互に言いたいことが伝達されず、不満ばかりが高まってイライラが蓄積されていく、ということはよくあります。
一つは、「塾友」に関することです。
志望校とも関わりがあることですが、前にもレスしたように、女の子は「みんなと同じ」ということに安心感とやる気を抱きます。塾で、なかのよい友人や、まわりの子たちが具体的な志望校を口にしはじめると、まだ未定であっても自分「も」どこか受験をしよう、という意識が芽生えてきて、ごく自然な形でそれが定着・形成されます。そんなときに「やめろ」となると「ぜったいにいやっ」と心の振り子が振りきります。
なかなかに受験生の心理は複雑でかつデリケートなのです。
「やめたい」のに「やめろ」と言われると「やめない」と突っ張る子もいます。
「やめたくない」のに「やれ」と言われると「やめる」と突っ張る子もいます。
塾をやめたくない、と、お子さんがいう「理由」は何ですか? たとえケンカとなっても「主張」の中でその理由が述べられている、と思うのですが…
もし志望校がきまり、塾友ともこのまま続けたい、と、ご本人がおっしゃっているならば、もう一度お母さんのほうが奮起され、お子さんの力になってやってください。
この場合は、何もよりそって、とか、二人三脚で、という方法でなくてもよいのですよ。
塾の先生、とりわけ、本人が尊敬していたり好きだと言うていたりする講師に、「事情」を説明して協力してもらう作戦です。お勉強に関することだけ、ぜ~んぶ丸投げ、でも、よいのですよ。言いたいことは塾の先生に代わりに言うてもらう、本人の意志は塾の先生に打診してもらう… そんなのが親子の関係として最適とは申しませんが、受験という限られた期間の特殊な状況のときだけの話です。また、お子さんの塾友のお母さんとも仲良くなったりして「お子さんの周辺」から「かためていく」という作戦もアリです。
まぁ、まずは、お子さんとの「膝詰め談判」は必要です。けんか腰はなしですよ。「どうしたいの? まずはあなたの意見を聞かせて」から入り、「お母さんはこう思うのだけれどどう思う?」ともっていってみましょうよ。追加質問があればどうぞ。
(保護者よりレス 割愛)
「××」さま
いえいえ、けっしてダメな親ではありませんよ。
ただ、心の振り子の振幅が、今はちょっと大きいだけです。
以前に、「泥の中に落としたコイン」の比喩の話をしたことがあります。
コインを探そうと、泥をかきまぜても、もくもくと泥が湧き上がって余計に見えなくなる… しばらく待って泥が沈むとコインがキラリと見えたりするものです。
「何もしない」というのが最大の解決のときがあります。
お子さんは、また、塾に行く、というかも知れません。もう行かない、となるかもしれません。一度すっかり手を離して、「あなたの好きにしていいよ」と大度にかまえてみませんか?
お気持ちはわかりますよ。このままでよいのか、いざとなってやろうとしたら手遅れになるのでは? などなど、考え出したらキリがない。
マイナスをカウントしすぎないことが大切です。
塾に行きたい、と、言えば行かせてやってください。
家庭の学習の仕方が雑でお母さんの考えているやり方と違ってもかまいません。10月くらいまでは不干渉で、お母さん自身の振り子の振幅が停止するのを待ってみることも必要ですよ。
何か追加質問があればどうぞ。