(質問記事番号 【1412516】 投稿月 8月)
「××」さま
入試動向というのは小6と同様に、けっこう細かいところまで把握されていて損はありません。
ヘーゲルは「動くものは動く手でとらえよ」と言うています。
入試の「動向」は文字通り、動きです。保護者もフットワークを軽く情報収集してください。塾からの提供は「データ」で、そこには「実感」を伴いません。
二年前はこう、去年はこう、今年はこう、ということをみていくと素人でも、入試の「形」が見えてきます。「変化の差」を知ることも「理解」の一つです。
まずは、「入試日」はしっかりと理解しておきましょう。自分の受験する学校は統一入試日なのか、後ろなのか、AB日程など複数はあるのか、なとなど。
これは塾で配られるプリントや教室などに掲示されているでしょう。低学年でもかんたんに説明できますし、講師に言えば、今年はこう、去年はこう、と教えてくれますよ。
それから科目数の変化や共学化、などは必ず学校から予告、あるいは塾に示唆があったりします。自分の子が受けるときは三教科から四教科になる、男子校と思っていたら共学に?? などなどアンテナを張って、それでふ~ん、で終わっていてはいけません。
他の学校でそういう動きをしている例が過去にあったとしたら、その動向(問題の変化や難度の変化)を知っていれば参考になります。
いやいや、しろくまさん、知ったところでどうなるのよ。けっきょく素人にはどうしようもないじゃん、と言われるかもですが…
しっかり動向を知り、情報をたくさん持っていることは「親が動揺しないで子どもに向き合える」ということです。
「幽霊」を恐れることになるのは、ちゃんと見ていない、あいまいさ、が原因です。しっかり見ればそれが枯れ尾花であることがみえます。次何が出てくるかわからないお化け屋敷でも、何が出てくるかわかっていれば怖さは半減です。
それから「併願のパターン」です。
自分の本命はこう、第二志望はこう、あとどこの学校が受けられるのかな? など、塾の先輩の「動き」を見ていれば参考になります。
たとえば今四年生の子がいたとします。それまで統一入試にしていなかった学校が統一入試にも試験をする。その学校の難度は大きく変化する。でも、小6の人たちの受験の動きをみていて、その人たちの結果が次の偏差値になる。受けた人たちの声も聞こえてくる… そして次小5の人たちが小6になって受験する… 難度も受験者の動き、倍率もほぼ安定してきて、今度は自分の番… というように「一つの動きに伴う複数の変化」の見通しを知ることになり、受験計画・志望校の設定がしやすくなります。
日程と併願の流れ、教科数の変化が受験にどのような変化をあたえるか、この3つをまずはしっかりみつめてみましょう。とくに東大寺も星光も教科の変化を見せました。女子校だって今後どうなるかわからない。
そして「受験動向」をしっかりみることによって「選択肢に幅」が出てきます。こんな学校あるんだ、こういうところは知らなかった、と、それまで知らなかった、眼中になかった学校の「メリット」「デメリット」も知ることができます。
「日程・併願の流れ・教科の変化」の三つとそれにともなう受験の選択肢、を意識してみてください。
受験の今昔… まぁ昔話をしてしまうと長くなってしまうので申しませんが、この場でみなさんと接して思うことは、本質は変わらないけれど現象は変わっている、というのが実感です。
受験校の偏差値の変化、受験日、共学化などなど、20年も立てばもうすっかり変わりました。でも、中学受験で、入試に向き合う保護者や受験生の持つ悩みは、いつも申しますように「古くて新しい」話です。
同じですよね。変わりません。こうなったからこう、こんなときはこうなった… いつかどこかでだれかが経験した話なんですよ…
解決できる話もあれば解決できない話もある… あんまりちゃんとした回答にはなっていませんが… また機会があれば、おりにふれ昔話もしていきます。もちろん「今」でも通用して役立つ話に限って。