~そして、また、入試が始まる~ ② 中学入試の「社会」の話 (その2)

~そして、また、入試が始まる~ ② 中学入試の「社会」の話 (その2) (前回はこちら

 さて、塾の社会は、もう1つのパターンがあります。

X 4科目で1セット
Y 3教科で1セット 社会はオプション

 最初から、4教科はセットになっていまーす。バラ売りしませーん、というところ、あります。(関東では多いのではないでしょうか)
 関西では、てっぺんの「灘」が3教科であることもあり、兵庫県系の塾は「3教科」が基本講座で、社会特訓という形式で任意に選択、という場合が多いのです。

 塾を選ぶ場合は、志望校に合わせて、どういう設定なのかをしっかり確認しておく必要はあります。

 さらに複雑なのは、これらの設定は学年によっても変わる、というときがあるようですよね。
 小1・小2は「算・国」、小3・小4は「算・国・理」、小5からは「4教科1セット」みたいなXのパターンもあります。

 
しろくまは、本人が社会をやりたいっ 社会が好きっ というなら、早期からの社会選択はおすすめします。(むろん、好きか嫌いかは受けてみないとわからないので、とりあえず選択することにはなります)

 ただ、灘・甲陽が第1志望で、現在小1~小4です、という場合は、社会の選択は後方にずらせて、それらにとどかないことが見えてきた、あるいは第2志望校が4教科である、というなら小5から選択、場合によっては小6から、というがよい、と思っています。

 たしかにしろくまの話は昔のことですが、申しましたように昔は社会は「小5」からの選択がフツーで、3教科を小5いっぱいに引っ張って学習し、小6から社会を選択、という子もいて、結果、社会が間に合わない、ということはほとんどありませんでした。
 早期に社会を取り入れて、それが入試に有利ならば、合格最低点はもっと高くなっていてもよいはずですが、東大寺にせよ星光にせよ、昔と大差はありません。星光や東大寺などは、昔の社会の問題のほうが難問がそろっていました。(学習指導要領が違い、昔のほうが出題内容の質・量がかなり高かったからです)にもかかわらず、早期に社会が導入されているのに、最低点や平均点が昔と変わらない、というのは、

 早くに何かを得ることは同時に早くに何かを失うこと

 という、ゼロサム的な現象になっているからだと思うのです。

 やはり、算数や国語の学習を、ていねいに、念入りに仕上げていってほしい、と、しろくまは思うんです。とくに算数は持続的・段階的な教科…

 わり算と分数でひっかかったら、社会の時間を削って計算練習を増やしたほうがよいと思います。
 比と割合が定着できていないのに、社会の統計を小5でおぼえても仕方ありません。統計は最新のものを小6でおぼえたらよいのですから。
 速さと水問題ができていないのに、歴史の正誤問題の対策に時間を割いている場合ではありません。その時間を削って基本の速さと水問題から復習しましょう。

 小3から小4、小4から小5、小5から小6の節目にある模試(ちょうど今の時期)で、算数が大きくコケたり、時間内にできないっ とかいうことになっていませんか?
 社会を「付加」するよりも先に、算数の「補強」をしっかりとしておきましょう。

 え~ でも、しろくまさん、小5から地理、小6で歴史・公民、で、ほんとうに間に合うんですか? すごい量ありますよ、まして小6からなんて無理でしょう?

 というご懸念はごもっとも…

 たびたび紹介していますが、演説のうまい、しろくまの後輩の社会科講師は、よく「ヤマ」を当てる、という話をしましたよね。彼は

 「もう出ることはきまっているんですよ。わたしはヤマを当ててるんじゃないんです。当てるんじゃなくて、テストのほうがわたしの言うてることに当たってきてくれるんですよ」

 と、ミョ~な言い方をするんですよね。もちろん、昔の講師はそれぞれが独立した企業みたいなもので、自分の持ちネタはそんなに簡単に他人には教えません。でも、意外と他教科の人間にはガードが甘くなって、ちょろっと、もらしてくれたりするんです。
 ちょっと彼の話にもとづいて、「社会が苦手な子のための」地理・歴史・公民の学習ポイントを示していきますね。

(次回に続く)

外の人 について

中学受験・関西・エデュ・そして某掲示板(w 全ての所でマッチしない「外の人」です。 数年後には中学受験だけは真っ只中にはなると思います。 下の子が動き回る前にと勢いで作りました。
カテゴリー: しろくまさんの技術講座, 社会 タグ: パーマリンク

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