(質問記事番号 【1497038】 投稿月 11月)
「××」さま
レスが遅れて申し訳ありませんでした。桜蔭の過去問をざっと解いてみました。しろくまの時代も、毎年実は桜蔭や開成を受ける子たちが一人か二人いたので、個別に対応したことがありました。
まず、今、国語が苦手だから他の3教科で何とかもちあげよう、とお考えになられる気持ちもわかりますが、なんせ人気の難関校の場合、算数得意、社会得意、それで理科もできますっ という子はケッコウ集まって、むしろ国語で勝負がつく場合もあります。女の子は国語が得意、というのは比較の問題で、女の子ばかりの中なら差もついていますし、それどころか難関女子中をめざす女の子は、関西でも算数だけならおまえ灘行けるでぇ~ と思えるような子がゴロゴロいて、そんな子に限って国語はだめ… 社会は嫌い… と、いっぱんに女の子ができる、と思われがちな教科ができないものです。
「今から」でも、国語をキッチリやりましょう~ とくに難関校めざす子で国語の偏差値40代って子どもたち、しろくまは得意ですよ~
桜蔭の問題をみて、思わずしろくまは「これはしろくま方式がビンゴだっ」と思いました。
とりいそぎ、桜蔭の直前国語記述対策の話をしますね。
たとえば「文学的文章」の場合ですと…
かなり長い記述が要求されるものがあります。桜蔭の国語の記述は、「全体」→「部分」→「箇所」というクローズアップ式の読み取りが必要です。正直、学校によっては、設問で下線部が引かれている前後をちょろちょろとみて、答えらしきところをおさえると正解が導けるところがあり、塾の模試などもそういう表面をなぞるやり方で答えが得られる場合もあります。たとえば筆者の言いたいことは前半ではなく後半にある、みたいな感じで探し出せるときもあるのですが、難関校となるとそうはいきません。
下線部で示されている部分もかなり限定されてはいますが、それでもまず、「全体」が理解されていないと解答に導けません。
どれも「よく練られた」問題です。何から書いてよいかわからない… と苦手な子なら途方にくれる… お子さんも、どっからどう書くの?? と、茫然自失白紙少女になっているのかも知れません。
しろくまはよく言うのですが、解答には、それがそうなる理由が必ずある、のです。桜蔭の出題者は、きっと、この問題の答えはどうしてこうなのですか? と問われれば、待ってましたとばかりに「理路整然」と、一分の隙もなく解説されると思います。それくらい確信を持って設問を用意しておられます。(しろくまと話が合いそうな先生が作っておられるようです)
まず、桜陰の過去問は何年にさかのぼって手に入れられますか? 20年分くらいあるとありがたいのですが… (もし、過去問に限界があるのなら関東では手に入りにくいかもですが、兵庫県に親和中学校という女子校があります。その物語文が桜陰をめざす女子で国語が苦手な子には類題演習として適した問題になります。)
物語文の設問で「心情を問われるもの」「理由を説明するもの」も、すべて、しろくまがおさえべきポイントとして説明した
A → B
↑
C
A 最初の気持ち
C 気持ちを変化させたモノやコト
B その後の気持ち
をしっかりと理解して、この「鋳型」にあてはめて説明するとほぼ解答が引っ張り出せます。
もともと( A )であった。でも、( C )によって( B )という思いになった…
また、二重心理の把握もよく問われています。
○ いっけん( A )ではあるが、実は( B )
Aという行動からA’の気持ちが生まれるようだが、実際はBという気持ちで、B’のような行動をしたいと思っている…
というパターンです。
国語の対策に少し時間を割いてもらえるなら、どこの中学の問題集でもよいですから物語文ばかりを抜粋し、問題を解くのではなく、文を読んで、
A → B
↑
C
の流れをまとめさせてみてください。
もし、あまり時間がとれないなら、
A 模範解答の改編法
桜蔭の物語文の長文記述の模範解答をまず保護者の方がみられて、( )をつくって、問題文から抜き出して入れられるように改編する。多くは「( )しかし( )」とまとめられるものが多いので、「鋳型」を示してやってそこに入れるようにする、という方法です。
B 模範解答の逆流法
さきに模範解答を見せます。よく解答を読ませてください。この問題の模範解答はこうです。こう書かれる理由、あるいはこうなることがわかる表現を読みながら線を引いていこう、というやり方です。書きなさい、考えなさい、から入ると、苦手な子には疲労が大きくケンカになります。模範解答を見せてそうなる理由を考えよう、という方法だと苦手な子は取り組みやすいのです。また、桜陰の場合はとくにこの方法をお薦めです。なんせ作題者が、自信を持ってそうなる理由を解説できるような設問なのです。これをたくさん累積することによって、作成者は、こういうところから判断させて解答させるんだ、と帰納法的に理解していくことができます。直前までこの方法を根気よく続けてみてください。
C 解法の部品収集法
これはしろくまがよく言う読解部品の発掘です。
① 「しかし」などの逆説語のうしろは主張
② 「のだ」「のである」が文末の一文は何かの理由説明
② 形式段落の最初の指示語は前の形式段落の要約
D 対比法
A⇔B Aとは何か Bではない
日本とアメリカ、過去と現在などの対比が説明されていて、日本を説明せよ、ならばアメリカではない、現在を説明せよ、ならば過去ではない、と述べるものです。
Cの①~③とDは、桜蔭の説明文の設問にはよく利用できますよ。ABはふだんの学習で、CDは本番や模試で活用してほしいものです。
まだまだ国語、とくに桜蔭の国語はのばせますよ。もちろん、3教科もしっかり「穴」を落とさないように復習してください。
とくに桜蔭は、暗記物ばかりが「穴埋め」ではない、というのが秋の学習のポイントです。理科は物理化学系で、実験問題はできるだけ過去問にかぎらず色々な学校にあたっておくのが必要です。
しろくまも協力しますから国語の学習続けてください。とくにお子さんに、まだまだ間に合うよ、答えを書けなくてもよいから、とにかくまずは模範解答をまず読んで、考えていこうね、と、励ましてやってください。できないものはしつこく考えなくてよいのです。「こういう問題はこういうとこから考えればよいのだ」に気がつけば書けるようになりますよ。
何か追加質問があればどうぞ。
(保護者よりレス 割愛)
「××」さま
物語文などが定期的に出題される私立では、時々、詩が出題されます。詩の問題に関しては実は関東より関西のほうが歴史が長く、兵庫県の私立は昔から韻文が好きです。韻文は「西高東低」で、もし韻文の対策をしたいのなら関西の女子中や灘の問題がおすすめできます。
実は「しろくまの韻文の話」が①