個別相談 6-007 計算ミスについて (小4 男子)

(質問記事番号 【1930967】 投稿月 2010年11月)

「××」さま

 入試のお悩みにレベルの高いも低いもありませんよ。人それぞれに悩みがあり、人それぞれに解決法も違います。どうかご遠慮なさらずに。

 おっしゃるように、子どもの算数の分析をすると、かならずしも応用でつまづいている、というわけではない、というようにちょうどこの時期には(小6はもちろん、もうすぐ小5の「××」さまのお子さんのような場合も)なってきます。
 というのは、ぼちぼち、それぞれのレベルでの算数の単元が完了し、あとは演習でツメていくだけ、という段階になってくるからです。

 目にみえる失点や、難問ができない、というのは案外怖くないのですよ。何とかしようと取り組むし、理解できるまで質問したり解説をよく読んだりするからです。

 受験生の永遠の課題… 「計算記号の見間違い」「問題文の読み間違い」、ちょっと言われたら、「ああ! そうか」とわかるような「あと一押しで気が付かないコト」…
 
 主観的時間制限、の、まずは第一段階は

 「この計算問題、何分でできるか計ってみるね」

 ということです。あなたは、これだけの問題を何分かけてできるのよ、ということの「認識」をしっかり理解させることが大切になります。本人には

 「ボクシングの選手って、3分間って、どれだけの長さが、体でおぼえているんだよ。それと同じで、自分が取り組む時間というのを理解して試験にのぞむのはたいへんよいんだよ」

 と説明してやってください。

 試験中の「時計の使い方」も、けっこう大切になります。お子さんの「時間認識」もキャラクターによって違うのですが、しろくまのおすすめは「アナログ時計」です。
 ちょっと大きいめの腕時計で、数字が1~12まできざまれているもの。時間の増え方や減り方が、「面」で理解できるものがよいような気がします。ここからここまでの時間で計算をする、ここからここまでに第2問と第3問をする、その間にできなければ次に進む、という感じの大きな「時間枠の予定」をあらかじめきめておく、ということです。
 デジタルですと、数字でそれをみて、かるく「引き算」なり「足し算」をすることになるので、カウントダウン的な時間の進み方を意識してしまい、「あせり」を感じさせる場合が多いかもです。
 お父さんの大きいアナログ時計を借りる、というのも、なかなかよい方法ですよ。

 時計にマジックで線を引いちゃうとお父さんに怒られちゃいますから、模試では、ここからここまでで計算、ここからここまでで第2・第3、それで時間がかかりそうなら次はここに飛ぶ、というような「時間のレイアウト」をざっくつくってておきましょう。まぁ、小4ならピンとこなくて当然ですが、そういうことを積極的にお母さんが話し続けていくだけで、小6になるころにはちゃんとできるようになります。
 (やや先の話ですが、小6になられたらこの時期は模試の形式ではなく、受験する学校の形式に準拠していきましょうね。)

 どうでしょう、夏休みの学習などで、自宅あるいは塾での演習で「スピードアップだっ!」と、せまられすぎませんでしたか? 前から申しますように、時間制限をして速く解く訓練をしすぎると、実はミスも訓練してしまうことになるんですよ。
 あえての、「じっくり、ゆっくり、丁寧に手順を書いていく計算」ということも大切です。もちろん、速さを身につけることも大切ですが、それと正確さを引き替えにする意味はありません。

 しばらくは、「時間を計るからね、あなたのペースでやってみて」、と主観的時間制限をおこない、そうして、「これだけの量ならあなたは何分でできるからね」、と、説明したり「今の問題で何分かかっているからね」と告げたりしていく…
 思考時間を数値化して伝える、ということを淡々と続けていってください。模試で結果が出るのは先にはなりますが、その訓練は有効ですからね。

外の人 について

中学受験・関西・エデュ・そして某掲示板(w 全ての所でマッチしない「外の人」です。 数年後には中学受験だけは真っ只中にはなると思います。 下の子が動き回る前にと勢いで作りました。
カテゴリー: 算数, 個別相談 タグ: , パーマリンク

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