~小学生のみなさんへ~ 記述白紙少年・少女のための記述法 ①
みなさん、あけましておめでとう。しろくまは、次には、合格おめでとう、と言いたいと思っています。あと少し、いろいろたいへんなこともあるだろうけれどがんばってね。
この時期、もうお母さんやお父さんとケンカしたらだめだよ。ついついムカつく話もされてしまうかもだけど、きみに合格してほしいから、ついつい大人は口うるさくなっちゃうんだ。
少々、腹が立つことがあっても気にならないくらいの「心のゆとり」がある人が入試には強いんだよ。
あと2週間、しっかり、最後まで粘って勉強してね。
さて、国語が苦手で、どう書いていいかわからない、どこから探していいかわからない… と、困っている子はいないかな? どうせダメだと思わないで、ちょっとしろくまの話を読んでみてね。
説明的文章で、よく「筆者の言いたいことを書きなさい」という問題あるよね。すっごいことを言うと、その文章まるまる書いてしまえばいいんだよ。ぜ~んぶ写して書いちゃう!
え~ 何を言っているのしろくまさんっ! ふざけないでよ! と、怒られちゃうよね。
でも、筆者は、「それだけ」のことを言いたいから「それだけ」の言葉を使っているんだ。だからほんとは、「ぜんぶ」書くのが正解!
ところが入試ってむちゃくちゃでさ、そんな筆者を無視して、かってに「言いたいこと」を書け、と、問題を作っているんだよね… ちょっと筆者がかわいそうでしょ?
それに、きみも「めんどくさい」よね… 全部書いているヒマもなければ書くところもない…
ど~しても、どこかから切り取らないといけない…
どこを切り取るのがよいか、そして、どう切り取るとよいか… ここがポイントなんだよね。さて、次の文章を読んでみてね。
「マザー・テレサの生き方と信仰の矛盾などは、私に比べたら何のほどのこともない。私が一人の人間の無力を痛感してあせっている間に、マザー・テレサはたった一人でどんどん世界を変えていく。わたしがもっと力と才覚があればと思っている時、マザー・テレサはあるがままの力と才覚を活かして、その場その場でできることを実行する。マザー・テレサは私を悩ませ、苦しめ、私は自分がどんなに小さな人間かを思い知らされる。いったいマザー・テレサは私の持っていない何を持っているのだろうか?
もし、この世の人の善意によって真の平和が実現するとしたら、それはマザー・テレサのような女性のおかげだと思う。平和は願うものではない。自分たちで作り出すものである。平和は行いであり、人のあり方である。平和とは与えることである。」
さて、この文章で筆者の言いたいことをまとめてみよう、という問題があったとします。さて、きみならどう書くかな?
説明的文章は、基本的には
☆ 「例」を用いて「意見」を書く
なんだよ。この場合はあきらかに「マザー・テレサ」を「例」にして、意見を述べていることになるよね。
実は、かんたんな「引き算」だって、気が付くかな?
☆ 説明的文章=例+意見 意見=説明的文章-例
じゃあ、例を全部消してしまえば、残りは「意見」だ! 「上の文章」を全部書きたいけど書けない、じゃあ、例の「マザー・テレサ」とそれが含まれている文をぜ~~んぶ、鉛筆で線を引いて消してごらん。
残った文はすべて意見だよね。
すると
「平和は願うものではない。自分たちで作り出すものである。平和は行いであり、人のあり方である。平和とは与えることである。」
が、残るよね。どうも「意見」っぽいよね。
ところが実際は入試では、40字以内で書け、とか、30字以内でかけ、とか、さらに「切り取る」ことを要求されてしまう…
あのさ、たとえば、誕生日のプレゼントにほしいものは何? とか、言われて、きみはすぐにほしいもの、言えるかな? また、今夜の夕食は何が食べたい? とか言われて、すぐに食べたいのが思いつくかな?
「う~ん、わたしは、プレゼントは、くまさんのぬいぐるみがよい」
とか、言うたとしよう。で、買ってきたのが「しろくま」だったとする。
「え~ ちがうよ、しろくまじゃなくて、なんかもっとこう、ふつーの茶色いくまさんっ!」
と、言う場合、あるよね。
「う~ん、何か温まる食べ物がいいな」
とか、言うたとしよう。で、出てきたのが「カレー」だったとする。
「え~ ちがうよ、そういう意味じゃなくてぇ~ 鍋物とか~!」
と、言う場合、ないかな?
「主張」とは、何かを否定して何かを出してくるもんなんだ。
☆ AではなくてBだ!
筆者の「もっとも言いたいこと」とか、とくに「何やら意味ありげに」「もっとも」とか付いている場合は、「主張」の形がいいんだよ。だから、記述するときは、「AではなくてBだ」とまとめるとうまく書ける。
この文章の場合なら、もうわかったよね?
「平和は願うものではない、自分たちで作り出すものだ」
が、「主張」になるんだよ。
「平和は行いであり、人のあり方である」「平和とは与えるものである」も、よさそうだけれど、どうしてこっちが解答なんだっ!? と、思うようなときは、たいていこの「公式」でまとめたものが正解だ。
マザー・テレサさんは、平和を「作り出す」ことに努力された人、それにくらべて、わたしは、あるいはみんなは「願っている」だけだろ? そんなんじゃだめなんだな~ と、筆者は考えているんだよね。
お笑いが好きな少年・少女は、実は、国語の記述は得意なハズだよ。だって、筆者はまずは「ネタをふって」、で、話を続けて、「オチ」に持ち込むんだから、お笑い好きは、そこのところをわからないとだめだよ。お、こいつは何を言い出すんや? が、例の部分、で、さんざん持ち上げといて、どっかで落とす…
ようするに「オチ」を説明したら「筆者の言いたいこと」になるんだよ。
「言いたいことをまとめなさい」という問題を選んで、ちょっといろいろやってみてね。
① 意見=説明文-例
② AではなくてBだ
で、いちど考えてみよう~ (ではまたね) (続きはこちら)