(この記事は【1821871】の内容を改変して掲載しています。)
模試のカラクリ、というと、大げさですが、あまり細かいところにふれてしまいますと種明かし的な話になりすぎ、模試の精度を狂わせてしまうかもしれませんからざっくりポイントを説明し、具体的な分野への言及は避けますね。
もちろん「模試の位置づけ」は塾によって、学年によって、時期によって、違います。
また、月一度のテストは、入塾テストを兼ねる場合もあり、いろいろなバイアスが模試にかかってきます。
ただ、1~12月の模試をずらっと並べますと、2月か3月は、小学校の学年5年・塾の学年6年に該当します。
まず第1に、3月あたりの模試は、がくっ と難度があがります。塾内の作成者が小5担当から小6担当に変わるからです。
で、夏休み前は、夏期講習の塾外生の募集の関係もあり、広く浅く問う出題に変わります。
第2のポイントはここにあり、「広く」の学習ができないものがひっかかります。得意・不得意の落差が激しい子は、苦手でこけてしまう… 6月の模試はだいたい小5の「広い範囲」で忘れやすい範囲を出題するので、ここで夏休みの学習課題をそれぞ発掘してもらおう、というわけです。
第3のポイントは7月で、これは塾によりますが、わりと全体的に平易な内容にします。国語は過去の塾生の傾向から、読みやすい長さ、それほど語彙を必要としない文章にします。社会も6月と「反転させて」、小5の範囲(地理)も小6の範囲(歴史)も、みんなが知っている、わかっているようなところを中心にします。理科も概ねそうですが、理科は4分野あるので、他教科が6月で「試す」ところを6・7月の二回に分けて出すので、やはり「広い」にひっかかる子も出ます。
☆ 5・6月で、「うわっ そんなん出すかぁ~」となり、7月で「あ、よかった、ちょっとましか…」
という印象ならば、わりとフツーに順調にきているな、という判断でよいのです。
で、夏休みに入り、「穴うめ」をしつつ、「深く」の範囲にまで勉強を始めます。
8月では、理科は「広く・できる」に転じますが、夏休みに暗記に走りすぎる子がいて、物理・化学で失点する傾向が強く出ます。8月は、「穴うめ」をはじめたばかり、「深く」に手をつけたばかり、となり、
☆ 「ちゅーとはんぱな」結果で、う~ん、びみょーな点数やなぁ
という印象になります。
で、9月と10月ですが、9月は夏休みの「深く」の成果を問いたいものになり、ぐっと難度が上がるケースがあります。
そうして10月にのぞむことになるので(演習と復習が二度以上かかった状態で)夏休みの成果、つまり「穴うめ」(苦手の克服)と「深く」(難問耐久性)がそろった状態になっているハズ…
で、10月の模試は「広く、だが、できる問題」「深く、だが、解ける問題」を用意しているので、ずばっ と成果が出やすい、ということになるわけです。
ただね、正直、暗記分野なら、やればすぐ結果が出ます。ただ、夏休み越えだと、わりとみんなそうなるので、「偏差値の変化」が出ないし、順位もかわらない… だから8月は申したように、「やったわりにはどーもなぁ~」というちゅーとはんぱな印象になっちゃうわけです。
こんな感じの説明でご容赦くださいな。