(質問記事番号 【1405047】 投稿月 8月)
「××」さま
読書感想文… 今も昔も、子どもの苦手な宿題の1つによくあげられるものですよね。
「感想文」なるものが宿題となることの是非は申しませんが、多くの子は感想述べるのが嫌いなのではなく、どう書いていいのかわからない、という「ひっかかり」と、「そんなに書くことない」「とくに感想はない」に落ち着いてしまう場合が多いのですよね。
読書はべつに、つまらなかった、楽しかった、とくに感想はない、の3つでも、正直、しろくまはよいと思っていますよ。
まずは、「ひっかかり」のハードルを低くする一助から申しますと… 「読書感想文」には「鋳型」があります。
○「わたしなら」法
これは低学年におすすめする方法です。「読書感想文」の指定に「物語」があったとします。とうぜん主人公に目をつけますが、「行動」にとくに注目させ、「わたしならどうするか」を考えさせて答えさせていく方法です。
むろん、2つの回答があります。
「わたしも○○する」と「わたしなら××する」の、A=A’とA⇔Bの2つです。
あなたならどうしますか? わたしならこうする、式にまとめていけば、稚拙ながらそれなりに読書感想文になります。
A 主人公はこうしましたが、わたしもそうします。「なぜなら~だからです」
B 主人公はこうしましたが、わたしならこうです。「なぜなら~だからです」
そして結末に「なぜなら~だからです」を付記させるのがポイントになります。主人公をいったん自分に置き換えれば、なぜそうするのか、答えやすくなるのですよ。これで感想が「2階建て」になりました。
これに「いつ」という時間軸、「どこで」という空間座標をつけたします。
あのとき、主人公はこうしました。わたしもそうします。なぜならこうだからです。
あそこで、主人公はこうしました。でも、わたしならそうしません。なぜならこうだからです。
と、場面と時間別に、同意不同意をまとめていきます。
低学年の子には、最初からこのカードをつくってやって、空欄に入れてごらん、と、やっていくのもよい読解の訓練になります。
( )とき、
○○(主人公)は、( )。
わたしも(orわたしなら)( )。
なぜなら( )だからです。
○「AだったがCによってBになった」法
これはやや高学年におすすめする鋳型です。
A → B
↑
C
という、物語文の構成を自身の「感想文」に適用する方法です。
まず、「わたしなら法」によって、不同意系を作成します。
××が××になって、○○になったとき、
主人公は( )というような行動(思い)をしました。
わたしなら( )というような行動(思い)をしたとおもいます。これが上の式のAです。
そして、「でも」、( C )によって、
( B )という考え方にかわりました。
と、「不同意→(あるきっかけ)→同意」という持っていきかたです。
ちょっとずるい方法ですが、ABCをA’B’C’で「などる」方法も感想文らしくなります。
主人公は最初こうでした。わたしもそう思いました。なぜならこうだからです。でも、主人公は、こういうことによって、こう変わりました。わたしも、こういうことになったら主人公と同じようにこう変わると思います。
どうです? 感想文ぽく仕上がるでしょう?
むろん、ひっくり返してもかまいません。
でも、わたしならこうして、こうすると思います。なぜなら、と、持って行って、Cの部分をC’にしないで、C⇔Dにもっていくわけです。これなら、感想文の作成を通じて物語文の読解の訓練になるので一石二鳥です。
「あらすじ」が書ければ、この手法を取り入れれば、何とかなりますよ~
でも、しろくまの感想文の助言はこの「鋳型」までにさせてください。これ以上踏み込むと、なんだか読書の「おもしろさ」をきりきざんでいくことになるようで…
あくまでも、自身の印象と感想をこの鋳型に流し込んでみてください、という話です。
あんまり役立つとはいえませんがお許しください。