個別相談 2-022 A判定をもらっているが国語は届いていない (小6 女子)

(質問記事番号 【1408473】 投稿月 8月)

「××」さま
 A判定になると、うれしいですし、まぁ、合格可能性が高い、という評価を受けたわけですから一安心、と思われるのは当然です。親も保護者もある時期を目安にA判定に持ち込む、というのが、1つの勉強の進め方でもあります。

 でも、A判定だからこそ、やらなくてはならない「調整」というのがあり、ここが大切なところです。
 現実、模試などではトータルでA判定が出るのがふつうですが、教科ごとの判定を自分で「産出する」のも大切です。
 つまり、ある学校のA判定が62以上、となっていたならば、教科毎の偏差値で+-を出してみる必要があります。

 以前に「成績の可視化」ということをお話ししましたが、A判定の子のモチベーションの維持、学習方法の微調整には、この方法が有効です。
 画用紙などに縦軸を偏差値、横軸を月にして、毎月の模試を2年分、小6なら小5からずらっと並べて折れ線グラフにしてしまう。ただし、各教科ごとに、算国理社、4色の折れ線グラフを書きます。偏差値のラインはA判定を赤線にでもしてヨコにざっと引いておいて学校名も記しておく… ここでは、この教科は ○○中学合格、この教科では不合格、みたいなことがわかるようにするのです。

 教科ごとにA判定後の調整ポイントを示しますと…
① 社会 地理分野の復習に力点を置きます。統計など「数字」にかかわる整理をしましょう。「具体的な数字でまとめる」地理、というのは大切です。志望校によっては統計に関する問題が少ないところもありますが、大学入試に力を入れている学校の地理は「表やグラフの読み取り」をよく問います。むかしは「日本のすがた」という「日本国勢図会」のジュニア版が売られていましたが、あれはなかなか難関校の社会の対策としては有効です。もし、手元におありなら通読させたりするのもよいと思います。

② 理科 女子と男子では違いがありますが、女子は物理化学系をまとめておきましょう。一見、暗記物の整理がよい、と思われますが、女子で理科がA判定の子って、けっこう生物や地学系はしっかりまとめられているのですよね。「力学・電気・水溶液」の「実験」の説明付の問題を中心に演習しておくことをおすすめします。兵庫県の甲南女子の理科の化学物理系は、なかなかわかりやすく数をこなしやすい良問です。また日食があったから、というわけでもありませんが2009年は国際天文年でもあります。月や太陽、星などの色々な学校の過去問を集中的に演習しておくこともおすすめですよ。

③ 算数 むろん男子と女子では違いますが、「速さ」「ころがり系の図形」「重なりの図形」などをしっかり復習しておきましょう。日々の計算練習を怠らないのは当然として、説明があって(   )に数字を入れなさい、みたいな問題(入試で大問2番目あたりによく出てくる形式)のものを数こなしておくのも大切です。前から言うように算数はしっかりと「二回建て」にしてください。易問多数時間制限式・難問限定丁寧式で取り組むことが大切です。

④ さてさて、国語… 前後の話のいきさつがわからないので何ともいえませんが、「国語は間に合わないので今のままの勉強」をしてくれ、という話は、しろくまとしては衝撃です… そんなことはありませんよ。まして国語だけはA判定でないのなら、秋こそ国語の追い上げのときです。

 前からよくいう「1文1答」式の問題演習で、設問をしぼりこんでやっていきましょう。昔はしろくまだけでなく、国語科講師は、苦手な子は玄関ホールのソファやピロティに呼び出して、「要約」の添削ノート交換もやりましたし、「漢字の短文作成」もしましたよ。
 「漢字の短文作成」というのは、ほら、書き取りの「短文」を子どもに作らせるものです。
 カタカナで漢字を書いて、それを用いた短文も併せて考えさせる、というやり方です。

 「1文1答・設問しぼりこみ」は秋からの追い上げ演習にはとくに有効です。「しこみ」には時間がかかりますが「電話帳」(過去問集の業界用語・分厚いのでこの名称がつきました)から説明文の「要約説明」「理由説明」問題、物語文の「心情説明」「理由説明」問題を選び、他の問題は無視するのです。

 しろくまは「電話帳」から問題文をコピーして、その文章1つにつき1問だけ、という問題集をつくりました。まだパソコンのワープロなんかなかった時代ですから切り貼りで雑なもんでしたが…

 理由説明題だけ、ずっとやっていく、心情説明題だけずっとやっていく、みたいな感じになります。
 一点にしぼって集中して読ませる… 明確な目標をもって簡潔に、というのが国語の追い上げ演習には大切です。苦手な子、いやがって演習をめんどくさく考える子には最適です。

 パターン認識で身に付く解答と、そうでない解答がありますが、少なくとも「何もしない」よりもずっと効果があります。白紙提出を無くす、部分点をとる、という持ち込み方も入試には必要です。
 何か追加質問があればどうぞ。
 
(保護者よりレス 割愛)

「××」さま
 「1文1問」は、短期に集中型をおすすめしますが、べつにお子さんのキャラクターに合わせて毎日少しずつでもかまいません。
 でも、小6秋からの追い上げ、に利用する場合は、何か特定の曜日に、数をこなすよ、という「意識」をした上でやったほうが効果はありそうです。たとえば模試の一週間前は必ずやる、とか、お話のように日曜日にはする、とか、そういう「短期の目標」設定があったほうが取り組みに集中度が出ます。
 とくに乗り気のない場合は、「予告」方式がよいのです。さぁ、今からするよ、よりも、一週間後、9月の第四週から、と「先に設定」して心の準備をさせておく、のもよいかと思いますよ。
 国語が間に合わない、なんてことはありません。満点とれるまでにはできませんが国語で落ちない点にまとめる努力はまだまだできます。がんばりましょう~

外の人 について

中学受験・関西・エデュ・そして某掲示板(w 全ての所でマッチしない「外の人」です。 数年後には中学受験だけは真っ只中にはなると思います。 下の子が動き回る前にと勢いで作りました。
カテゴリー: 個別相談, 国語 タグ: パーマリンク

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