理科について (2010年9月)

(投稿番号【1866723】 2010年 09月)
(冠模試での理科の失点についての質問に対する回答ですが、技術講座として掲載させていただきます)

「××」さま

 この時期、入試のシミュレーションの講座や演習が行われます。冠模試や冠イベント…

 あれらは、両刃の剣で、「できる」子、「できた」子は勢いがつき、「できない」子、「できなかった」子は勢いがそがれます…
 できなかった場合、それらが、志望校変更、具体的には下方修正、を誘うものになる場合がけっこうあります…

 やっぱりだめか… 志望校を変えようか…

 何度も強調しますが、「冠」は、あくまでも塾がつけたものであって、「残念ながら不合格」と思われる必要はまったく無いのです。
 模試は合格するための「材料」、「苦手や未習熟単元」の測定装置にすぎないでのです。

 たった一枚の、「●●中学プリント」などの数字で、合否が決まってたまるもんですか!

 入試は「トータル」でするものです。むしろ、できている場合のほうが要注意。冠模試や冠イベントで「おれはいける」なんて勘違いして本番実力を出せずに不合格になってしまった子、しろくまはたくさん知っています。できていない、わからないものをたくさん集めて整理し、きっちりとまとめていったものが力をつけていくのですよ。

 理科はこの時期(もちろん社会も、とくに地理)は、そういう「後ろから追いかけて整理していく」というのがどれほど効果を発揮するか…

 「水溶液や力学」

 おおいにこれをテーマに10月半ばまで理科を整理しましょう。よく「~のひねられたもの」という表現をされる場合がありますが、理科の場合は「水溶液は水溶液」「力学は力学」なのです。「ひねられたもの」ができないのは、実は「ひねられていな」水溶液も、「わかって」できているのではないハズなんです。

 それがなぜそうなるか、ということをわからず、この解き方はこれだっ の累積で勉強してきたことの「債務」が超過になっているんですよ。
 お子さんは、公式にせよ、解き方にせよ、それがそうなる理由をしっかりふまえて「水溶液」や「力学」を理解されているでしょうか?

 「塾の理科」は、実は、たいへん鮮やかなのです。解き方や、アプローチの仕方がしっかりとあり、塾で習った子と、習っていない子で、水溶液と力学では圧倒的といってもいいくらい差をつけられます。ただし、小5や夏休み前まで…

 そこから後ろは、「ほんとうに理解している」者が、ゆるがずしっかりと得点を重ねます。

 理科の他の分野は、甲陽の過去問などをがんがん流していきましょう。とくに灘と違い、暗記物も甲陽は重厚で、それなりに「量」にあたっておかないと、「きっちり」知識をつめてきた優等生と「差」がつけられます。

 もう一歩、つっこんだ話をすると、灘からコースを甲陽に変更する者が増えます。それぞれがそれぞに弱点を抱えての変更ですが、そういうときに「理科」に揺らぎがない者は、下に押し下げられません。
 びしっ と理科の暗記部分は満点。いっさい失点せず、というところに今の時期は持ち込んでおかないといけないところなんですよ。

 水溶液と力学は、一度、問題演習というより、教材や参考書の「まとめなおし」(まるで参考書のようなノート整理をする、ということ)に時間をとり、「あなたほんとうに水溶液ってわかっているの?」「この力学の問題の意味、わかって解いているの?」という「本質的問いかけ」をしていってください。
 あんがい、えーーー、今さらそんなこと知らずにきたの? というところが出てくると思います。

☆ ひねった理科の問題ができない者は、すなおな理科の問題が実はわかっていない者

 というのが発覚するのが秋なのです。

 問題集以前に、まずは参考書に書いてあること、お母さんに授業するつもりで解説してみて、という「プチ研究発表」させてみてください。(小5のみなさんで甲陽をめざしている場合は、水溶液・力学系は「家庭学習発表会」という発表型学習をかならずさせてみてください。)

☆ お母さん(素人)がわかる説明ができる、ということが本人がわかっている、ということなのです。

 ああ、まぁ、だいたいわかっているようね、と、なったら、まずは易問(これは小5の小テスト類でも『近・中問』でもOK)の演習に入り、甲陽にもちこむ、という流れでいきましょう。

 えーー、そんなことわかってないの、と、なったらしっかり「まとめなおす」ということからやっていきましょう。

 とくに低学年から塾に親しみ、「塾理科」に習熟してきた子ほど、こういうチェックは必要ですよ。

 志望校変更を考えるのは、その後でよいでしょう。「現象ではなく本質の理科」を知った上で、得点力が回復しないなら、それはもう変更してもけっこう。

 「わかる」を「できる」が別なのと同様、
 「できている」ことは「わかっている」ことなのかを確認しなくてはなりません。
 とくに理科はそうです。

 この時期の大切な学習ポイントです。

外の人 について

中学受験・関西・エデュ・そして某掲示板(w 全ての所でマッチしない「外の人」です。 数年後には中学受験だけは真っ只中にはなると思います。 下の子が動き回る前にと勢いで作りました。
カテゴリー: しろくまさんの技術講座, 理科 タグ: パーマリンク

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