~受験前の保護者のみなさまへ~➄
わたしの後輩で演説のうまい社会の講師が説明会で言うていた話をしますと…
チェス、というゲームがあります。西洋将棋、ですよね。やったことがある人はわかると思いますが…
「面」と「点・線」で攻める、という方法があるそうです。
ポーンを前に進め、真ん中、あるいは左面か右面に駒を集め、キングは入場して、まるで城のように組んで攻めていく… 「面」ですよね。
いきなりナイトを繰り出して、ビショップなどを盤の中央に踊りださせて空中戦に持ち込んでいく… 「点と線」ですよね。
同じゲームの展開でも、騎手のキャラクターや対戦相手に合わせて、あるいは彼我の強弱を考えて攻め方を変えていきます。これはあたりまえのこと。
バスケットボールをやったことがある人は「ゾーン」か「マンツーマン」か、ということを想像してもらえればよいかとも思います。
入試にのぞむのも、この二つの方法のどちらかでよいのですよね。
各教科均等に… よく出る単元、あまり出ない単元差別することなく、軽くすべての範囲に目を通しておく…
四月からの模試を並べて、ここはしっかり解いておこう、という講師の指示に従って家庭では復習しておき、あとは塾にまかせていく…
「面」の対応、ですよね。
とにかく苦手な教科にしぼる。苦手分野は易問流しで時間をとらず、得意な教科をとにかく磨く、ある教科、ある単元・分野を徹底的に仕上げて入試にのぞむ…
苦手で不合格になるのではなく、得意を失敗して不合格になる… というのが入試の実相である、というのは、しろくまがよく言う話です。
二週間前までは苦手な分野をしっかりやっていてもよいですが、そのため、得意な分野はもういいか… という場合もあります。でも、それによって演習量が減り、かえってカンが鈍ったまま入試へ、という場合もあって、本番、得意でコケでしまう…
わたしの友人の、アイデアマンの理科講師は、直前は「点と線」「マンツーマン」型の「攻め」を指導していました。
ここまできたらじたばたするなっ ここだ、というところをしっかりとつかめっ
という話をよくしていました。昔のしろくまノートに、いろいろな講師が直前に話していたことのメモがあるのでみてみると…
・生物 ・物質とエネルギー ・天体
この三つをがっつりと彼は確認していました。どうでしょう、理科で何をしようか、と迷ったら、この三つを掘り下げてみませんか?
プランクトン… 図でみて名前がわかるか、動物プランクトンか植物プランクトンか…
人体… 肝臓と腎臓の働き、わかっているのか… 場所はどこにあるか…
道管と師管… 双子葉と単子葉、蒸散作用と気孔など、わかっていますか?
食物連鎖…
水中微生物などは顕微鏡の使い方と絡めて理解できていますか? 人体では循環も確認できていてほしいところです。
天体ではとくに月。月の特徴、月の満ち欠けがわかっていますか? これらはいろいろな学校の過去問でいくらでも演習できます。
てこ… ピンセット、栓抜き、釘抜きの支店、力点、作用点をしっかりと確認。
電気… モーターや蓄電。最近ではダイオードなども知っておく…
電流と発熱。これは難問対策しておいてもよいですよね。電流を流す時間、水の量、電熱線の太さ・長さ・強さ、で、水の温度はどうなるか…
三日間でこれらは十分掘り下げられますよね。
迷ったときはテーマをしぼる… 直前は「迷い」が禁物です。(次回に続く)